人間は、例えば目の中に虫が飛び込みそうになると、まぶたを閉じて目の中に入ってくるのを防いだり、
熱いものに触ったときにはすぐにそこから手を離しますが、こういった動作は脳で考えて行なっているわけではなく、無意識で反射的にしていますね。
これと似たようなことで、人の心の中にも無意識のうちに反応してしまうきっかけや言葉がいくつかあると言われています。
人が無意識に反応してしまうきっかけ例
人が反応してしまうきっかけ例:
「憧れの存在」
人は誰しも「ああなりたい」と憧れる人がいるものです。
例えばその人が愛用してる製品を自分も使ってみたくなったり、憧れている人が勧めてる内容を自分も試してみたくなったりします。
そういった憧れの存在がいる場合、自分の個人的な好き嫌いや趣向を問わず心が動かされがちになる傾向があります。
人が反応してしまうきっかけ例:
「ライバル的存在」
ライバルとは言わないまでも存在を意識する相手のことを、
と誰かが話てるのを耳にしたら、自分も「より頑張ろう!」と思ったり、
好きな人が被ってしまったとしたら、相手より後手に回るまいと何かと励んだり、好きな人と相手の状況が気になりだしたりするものです。
そういったライバル的存在がいる場合やそうゆう状況になった時も、人は心が動かされがちになる傾向があります。
人が反応してしまうきっかけ例:
「流行」
人には少なからず流行をなるだけキャッチしておきたいという気持ちがあると言われています。
これは、「自分だけ周りから取り残されたくない」という意識が根底にあるためとも言われていますが、日本は島国なせいか協調文化が根強いせいか割とこの意識を強く持つ国民性だと指摘されています。
人が無意識に反応してしまう言葉例
上記のきっかけとは別に、人が無意識に反応しがちな言葉があることも分かっています。
人が反応してしまう言葉:
「限定」
レストランなどで「本日限定10食」と書かれたメニューがあるとやたら気になって食べたくなったり、「レディースデー」などに代表されるような、
- 女性限定
- 男性限定
- 20代限定
- 経験者限定
などなど、「限定」と言いつつ割と範囲が広い場合だとしても人は「限定」という言葉に弱いそうです。
人が反応してしまう言葉:
「〜だけ」
例えばスーパーのチラシなどで「2の付く日だけ」という文字を見ると衝動的に欲しくなってしまう…的な感覚です。
店員
と言われると特別感が演出されてちょっと嬉しくなりますし、物を売り買いする場では財布の紐が緩みがちになる傾向があるそうです。
また、「〜限定」よりも「〜だけ」の方が人は無意識下で強く反応しやすいと言われています。
カチッサー効果
こういった無意識で働く心理作用のことは『カチッサー効果』と呼ばれています。
- カチッサー理論
- カチッ・サー効果
- カチッ・サー理論
とも呼ばれています。
カチッサー効果とは?
ちょっとした働きかけや自分の中にある固有の感情を刺激されることによって、正誤等など深く考えることなく認可行動を起こしてしまう心理現象
のことを言います。
ちなみに、「カッチサー」は以前あったテープレコーダーなどで、スイッチを入れると「カチッ」と音がすると同時に「サーッ」とテープが周りだすことに由来して付けられた名称だそうです。
この『カチッサー効果』が働く心理作用はいくつか確認されていますが、その中でも
- 限定
- 〜だけ
- 嬉しい〜
- 信頼される〜
- 幸せになる〜
などの言葉を聞くと、人は無意識に反応してしまう傾向が強いようです。
上記で言葉例として挙げた
- 本日限定10食
- 2の付く日だけ
は『希少性』とも呼ばれますが、それ以外にもこの『カチッサー効果』が働いていると考えられています。
カチッサー効果の影響力
数に限りがあるものを目の前にすると、不思議と「早く手に入れないと損した気分」になりがちです。
もし手に入らなくても損をするわけではない場合が多いですし、むしろ余計な出費を抑えられるので、得することの方が多い気もします。
が、気持ちは納得してくれないんですね。。
あるスーパーで、全く同じ商品を、
- 普通に販売
- 「限定」名札付きで販売
と別々に販売したところ、「限定」名札付きで販売した方が普通に販売した場合より30%も売り上げが伸びたそうです。
カチッサー効果の代表的な使われ方
タイアップパターン
よくトップアスリートが商品のイメージキャラクターとしてCMに起用されてたりしますが、これも一種のカチッサー効果といえます。
もし仮に自分が憧れている選手だったり人物がCMなどで商品を紹介していたとします。
その商品は他に似たようなものがたくさんありますし、価格も他社から出てる方が安かったりする場合だとしても、自分にその商品自体が必要になったら、
あの人が勧めてたから…
という動機づけで自分が憧れてる人物が紹介してくれた商品を選ぶ傾向が強いことがマーケティング調査によって証明されています。
一種の「付加価値」を商品に付けるもので、起用する人物によっては全くカチッサー効果が期待できない場合もありますが、刺さる人には思いっきり刺さります。
限定パターン
限定パターンはカチッサー効果だけでなく「希少性」とも被ってくる部分が多いですが、併用してよく使用されているパターンになりますので記載しました。
対象の限定
- 会員限定
- あなただけに特別
- 今だから出来るこのサービス
…といったものがカチッサー効果の対象の限定に当たります。
これは、ある種カチッサー効果や希少性を刺激した典型的なパターンとも言えますが、加えて優越感を持たせる効果もあるとされています。
優越感を与えてくれるサービスは受けた側から高評価を得られやすいですし、高評価は業績に直結してきますので今日でも広く使われています。
期間の限定
- 今日から3日間だけ
- 週末限定
- 見てくれた後の1時間以内であれば…
と、期間を限定したものです。
こういった言葉には、「その間に買わないと損をする」という心理誤認が働きやすいとされています。
誰でも損はしたくないという気持ちはありますし、
必要か不要か?
よりも、
損はしたくない…!
と考えがちになってしまうため、ついつい購入してしまいます。
回数の限定
- もう二度と手に入らない
- 今回限りこの特典が…
- 残り3名様
といった回数を限定するものです。
これは上記の「対象の限定」と「期間の限定」を組み合わせたものでもあり、限定3パターンの中で最も効果が大きいとされているものです。
カチッサー効果の使い方
カチッサー効果の使われ方を見ていると、あるひとつのパターンがあることに気づかされます。
[prpsay img=”https://shinritech.com/wp-content/uploads/2019/01/tvm.png”]〇〇だから■■[/prpsay] [prpsay img=”https://shinritech.com/wp-content/uploads/2018/06/marugata.png”]〇〇しかないから■■[/prpsay]といった言い回しです。
などなど、前半部分に
- 限定
- 〜だけ
といった理由付けをすることで、後半部分をより意味を持たせて使われています。
映画や食事に誘う場合などで
なので、ただ単に
と誘うより、
と誘った方が多少は効果的ですし、
というような、
- 限定感
- 希少感
を出した言葉で誘うと、カチッサー効果が現れやすくなります。
商談、契約などで
また、商談や契約を取り付けたい場合などでも、
ただ単に、
と頼むより、
と言った方が契約率は上がります。
ちょっと考えれば、久々に休みが取れたことと誰かと映画にいくことは別のことですし、お得意様でも必要がなければ契約する必要はありません。
が、このような言葉の前後が全く違ったことだとしても、限定や希少性などを加味した「カチッサー効果」を活用した理由付けをするだけで割と良い返事がもらいやすくなる傾向があります。