と割り切る人も少なくはないですが、仕事上の付き合いだとしても相手から好感を得たい場合には、ちょっとした自分のプライベート的な話をすると好感を得やすくなることがあります。
以前アメリカで絶大な人気を誇っていて、日本でも放送されて大好評だったドラマに「刑事コロンボ」というものがありますが、
ドラマの中で主人公が主に容疑者に向かって
という切り出しから自分の話を始めた後に、その話を聞いた相手が隠していたことや言わなくてもいい情報をポロッと話してしまう…
ってのがある種のパターンになっていました。
自己開示の相互性
この話術は、心理学では「自己開示の相互性」と呼ばれていて様々な検証から一定の効果が認められているものになります。
プライベートな話をされた側は、自分もプライベートの話をしがちになる
というものです。
一種の「返報性の原理」に似ていますが、自己開示の相互性の場合は返報性の原理よりも、
こういった情報を持っていることを示したい
という心理作用がより強く働く傾向があります。
自己開示の相互性の効果
加えて、
自己開示をすると割と自然に好意を持たれやすい
ということも様々な研究から分かっています。
なので、
自分のプライベートな話をすればするほど、相手から好感や好意を得やすくなる
ということも言えると思います。
ちなみに、プライベートな話といっても内容自体は大したものでなくて全然OKです。
特に会話の取っ掛かりやきっかけが欲しい場合などで「自己開示の相互性」を活用するときは、「刑事コロンボ」でもそうですが、
とか、
といった内容で充分です。
大切なことは、
ポイント自分の完全プライベートな話をする
ことです。
が、一般的には隠しておきたい内容とされる、
- 過去の恋愛体験
- 現在の収入
- (笑い話となり得る)失敗談
などを打ち明けることもやはり効果的だとされています。
特に、
- 打ち解けづらい相手
- 関係がこじれてしまった相手
- 好意を持っている相手から好かれたい場合
などには、よりプライベート的な話をするのが非常に有効だと考えられています。
ただ、いきなりちょっと重めのプライベートな話をカミングアウトされても、聞いている方は反応に困ってしまいます。
なので、もし深い話やちょっと重めの話をする場合には、多少会話が進んでからした方が効果を発揮しやすくなります。
自己開示の相互性の対象例
例えば、
上司や年長者の方
上司や年長者の方などに、
- 結婚
- 戸建ての購入
- 育児
などの話を相談するのも非常に効果がありますし、
好意を持っている相手
好意を持っている相手から好かれたい場合には、
- 過去の恋愛での失敗談
- 自分のちょっとした趣味
- 過去に熱中していたもの
などの話を徐々にしていくことで、より自然に好感を得やすくなるとされています。
自己開示の相互性の活用ポイント
プライベートな話をされた側が、話しをしてくれた相手に対して好感を得やすくなり、自分もプライベートの話をしがちになるのが「自己開示の相互性」の特徴ですが、
意図して「自己開示の相互性」を活用する場合、最も大事なのは、
自分がプライベートな話をした後は、相手の話をしっかりと耳を傾けて聞く
ことです。
自分が話ただけでは一方通行ですし、相手が話したいと思って話をしてくれる内容をしっかり聞くことで相互性が成り立ちます。
また、相手の話をしっかり聞くことには違った側面もあります。
是認欲求
それが心理学的に「是認欲求」と呼ばれているもので、男女問わず人は誰でも無意識下に
他の人に認められ尊敬されたい( ≒ 是認されたい)と思う欲求
があると言われています。
この是認欲求は、ただ単純に相手の話を聞くだけでも話した相手は満たされるそうで、つまりは是認欲求が満たされると話した側は
と認識
と認識が変わりやすくなり、
「話していて心地良い人」がだんだんと
に変化していき、
好意や好感を持ちやすくなる
といった心理変化が起きやすいとされています。
好意や好感を持たれたら、
という気持ちにも発展しやすくなりますので、
ポイント自分がプライベートな話をした後には、相手の話もしっかりと耳を傾けて聞く
ということは重要なポイントとなります。
自慢話はNG
ただ、
自分のプライベートな話をした方が、相手から好感や好意を得やすくなる
とは言うものの、どんなプライベート的な話でもいいのかといえば、実際はそうではありません。
- 自慢話
- 他人の悪口や陰口
- ネガティブ発言
- 過去の悪行
などは、聞いている側からすれば割と呆れるパターンに陥りやすくなります。
ちょっとした成功体験は話として好まれやすいですが、「好意、好感も持たれやすくする」ことが目的で自己開示の相互性を活用する場合には、
- 過去の恋愛体験
- 現在の収入
- (笑い話となり得る)失敗談
などの方が効果を得られやすくなりますので、話す内容の方向性にはお気をつけくださいませ。
また、逆にいきなり自分のプライベート的な話をしてくる相手は、この「自己開示の相互性」を期待されている場合もあります。
その際には、相手が自分にとって
- 信用できるか
- 人として付き合っていくことに問題はないか
などを図る契機となり得ますが、あまり評価できなかったり好ましくない人の場合には、さらりと話を変えるか聞くことに専念した方がベターな選択だと思います。
ただ、少なくとも相手からは
という期待の現れかもしれませんので、全く無下にしてしまうのは惜しい気もしますが。。